TRIを知る

TRIの製造技術力

水野伸彦製造部
製造技術2課 課長
小林広和製造部
製造技術1課

クオリティを保つ。新しい領域を開拓する。
製造技術の蓄積は、ロボットの可能性を広げていきます。

製造部の中で製造技術グループが担う役割、それは設計者が仕上げた図面を形にし、実際に稼動させて検証すること。つまり、トライエンジニアリングが送り出す製品のクオリティを保つとともに、お客様から得ている信頼をより確かなものにする必要があります。業務は主に三つ。まず一つめがロボットの複雑な動きをコンピュータ上でシミュレーションするとともに、そのデータを実機にダウンロードするオフラインティーチングです。二つめが組み付け。設計図通りに仕上がったヘッドやローラーをロボットのアーム先端にマウントします。

そして三つめがロボットティーチングと言われる最終調整。お客様の元で稼動させ、パフォーマンスを最大限に発揮できる状態に調整します。例えば、ロボットヘミングシステムなら、ロボットが設置される場所で曲げ加工を実際に行い、もし歪みが発生したら現場で修正します。製造技術2グループリーダーの水野伸彦は「設計者と何度も検討を重ね、オフラインティーチング段階で調整をしても、製造現場の状況によっては誤差が生じるため、ロボットティーチングは非常にシビアな目で行います」と、その重要性を語ります。

お客様のニーズに、ロボットを最大限に活用して応えていく。こうしたトライエンジニアリングの基本を、全く新しい発想と技術で具現化した例として、ロボットレーザーマーカーシステムが挙げられます。

品質保証レベルが以前にも増して厳しくなった状況下で、製品に万一不具合が発生した場合はその原因を辿り、徹底的に解明する必要があります。その一助として考案されたのが、トレーサビリティ(追跡調査ができる状態にすること)を可能にする2次元コードの印字。担当したのは製造技術1グループの小林広和でした。「既存の機械に印字機能をプラスする必要があり、機械の設置スペースも限られたもの。厳しい条件でしたが、私たちのロボットの技術を活かすと全てがクリアできたのです」。

ロボットレーザーマーカーシステムを開発し、三次元曲面でもクリアに印字できるように何度もトライアルを重ねた結果、世界初のシステムが実装されました。ロボットが持つ可能性を未開拓の領域へ。トライエンジニアリングの柔軟な発想とそれを実現する製造技術は、また一つオンリーワンを送り出したのです。