トライエンジニアリングの強み、それは必要とされるシステムを、産業用多関節ロボットを活用して実現すること。ニーズを超えた全く新しい答えが形となって現れます。1985年に開発が始まり、1991年に世界で初めて完成させたロボットヘミングシステム(RHS)もその一つ。取締役・営業部部長兼開発課課長の岡丈晴は「誰もが、『そんなことができるわけない』と言った挑戦は、現在国内外の自動車メーカー、建設機器メーカーなどに320システム・850製品が導入され、世界中でスタンダードとしての地位を確立しています」と振り返ります。
また、サーボヘッドとフィードバック制御によって、より安定した品質を提供できるサーボ加圧式ロボットヘミングシステムの開発は、現状に満足するのではなく、さらに高みをめざして挑戦を続ける姿勢の表れ。2013年にリリース以来、ロボットヘミングシステムの導入実績の3分の1を占めるまでになっています。
ロボットヘミングシステムが代名詞となったトライエンジニアリングは、そこで培った技術、ノウハウを、さらに画期的なシステム開発へとつなげています。例えば、切削加工用のロボットマシニングシステムは、1台のロボットがアルミダイカストの一次加工、アルミ押出材の穴あけ加工、リヤアクスル溶接ビード切削、複合素材基材トリミングなど様々な加工を行うもの。主軸モーターを用途に合わせて付け替えるという画期的な方法を採用したこのシステムは、従来のMC加工機と比べて格段に汎用性を高めています。
また、ロボットによる摩擦攪拌接合システムであるロボットFSWは、これまでのアーク溶接と比べて熱歪み、接合不良を減少させるとともに異種材料接合を実現。この技術は生産・加工システムの変革につながると、大きな期待が寄せられています。
こうしたロボットを核とした新たなシステムは、機能性や効率性のアップ、生産ラインの環境改善をはじめとするお客様のニーズを最上の形でクリアしていくために生まれたもの。岡は「今後、生産システムの課題にさらにきめ細かく対応し、仕様・構想段階から参画することでトータルに解決していくシステムインテグレーターとしての役割がますます大きくなっていくと考えています」とトライエンジニアリングのこれからを展望します。